大谷大学 文化環境ゼミ 3回生 2017年度後期

太郎坊宮をたずねて

 

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平成29年11月19日に滋賀県近江八幡市の太郎坊宮を訪れ、背後の山々にも登りました。

今回の調査目的は、太郎坊宮(阿賀神社)と天狗の歴史の調査、夫婦岩と赤神山、箕作山の地質調査でした。

 

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太郎坊宮について簡単に紹介します。太郎坊宮は「勝運の神」という御祭神がいます。勝運を上げるためにここに訪れる方が多いです。さらに神事が盛んで、特にお火焚大祭は有名でたくさんの人が集まります。太郎坊宮は神社の他に、夫婦岩、赤神山、箕作山があります。山登りを目的とした人も来ます。太郎坊宮の見所はまだたくさんあります。

 

私たちは10時に太郎坊宮の入り口に着きました。

 

入り口には御神田があり、その名の通り、神様の田んぼらしいです。神様の田んぼなので立ち入り禁止でした。↓

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赤神山参道の麓にある風化が見られる赤神山の石を使った灯籠

花崗岩がところどころに使われています。

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灯籠が見えるこの位置が赤神山全体を綺麗に臨める場所なのではないかと思いました。

 

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入り口から階段があり、少し上がっていくと小さなお寺がありました。

 

成願寺というお寺です。ここには誰もいなくて、鐘がありました。↓

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さらに階段を上がって行くと、参集殿という場所に着きました。参集殿は赤神山の中腹にあり、湖東平野を見渡すことができます。神殿造りの粋を集めた全国でも有数の建物です。

 

参集殿に天狗の置物があり、「神威玉」を持っていました。正面のお殿に参拝して、それから玉を両手で触り、その手で心と病がある人は悪いところを撫でると体に良いと伝えられています。↓f:id:suzuki_seminar:20171205135333j:plain

 

参集殿で宮司の奥田さんから太郎坊宮の歴史ついて話を伺いました。

昔、太郎坊宮のあたりで土地の所有争いがあったり、大正13年の建築など歴史について聞くことができました。私たちの様々な質問に答えてくださった、優しい方でした。

 

馬の銅像。↓

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 この当時馬はもらい物として一番よいものとされていました。そのため銅像とされています。絵馬もこのような理由で現在も神社などにおかれています。

 

本殿に至る道中には「夫婦岩」という高さ数10m幅80cmにわたり

真っ二つに開かれた岩があり、本殿に参るにはこの間を通らなくてはなりません。

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夫婦岩には言い伝えがあり、

「この間を通って参拝すると病苦が除かれ、願いは叶うが、

悪心のあるものが通ると岩に挟まれる」という

子供には「悪戯をしたりすると岩に挟まれる」と教え戒めの場となっています。

 

地質から見る太郎坊

 太郎坊山(赤神山)の見た目は岩肌が露出しており、非常にゴツゴツしています。

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夫婦岩の上部には

「節理」というマグマが冷え固まった際に出来る規則性のある割れが随所に見られます。

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幅80cmにわたって開かれた夫婦岩の割れは

節理が大きく起因し、自信塔の地殻変動も関係していると考えられます。

夫婦岩は赤神山の中でも標高の高い部分にあるために、

赤神山自体が火山岩によって形成された山だと考えられます。

お火焚大祭

毎年12月の最初の日曜日に開催される恒例行事であり、

厄を払い清らかな新年の訪れを願う太郎坊宮の行事に参加しました。

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ヒノキによって組まれたの護摩壇に火が付けられ、
あたりを身を清めるとされる煙が包み、修験者が祈りをあげ、参拝者は歓声を上げました。

約40人の修験者は約10万本の護摩木を炎の中に焚き入れ、無病息災などを祈願しました。

 

お火焚大祭には全国から参拝者が詰めかけるだけでなく、

修験者もまた装束に身を包み全国から集まります。

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 ともに撮影していた愛知県から訪れた方は「毎年来ており、熱気やスケールの大きさに圧倒される。来年も訪れるつもりだ」と話しました。

 

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護摩木が全て燃やされると、火種が火渡り場の丸太の下入れられました。

参拝者の方々が実際に火渡り場を歩いておられるところです。