大谷大学 文化環境ゼミ 3回生 2016年度前期
琵琶湖から疏水をたどる(1) 琵琶湖~蹴上
平成28年5月29日(日)文化環境ゼミの3回生精鋭6名は、午前9時半に京阪三井寺駅に集合した。まずは琵琶湖の疏水取水口を目指した。
【取水口】
京阪電気鉄道石山坂本線の三井寺駅改札口を出ると目の前に琵琶湖疏水が流れていた。
琵琶湖から直接水が第一疎水に流れ込み、山科を通り京都まで流れていく。
【第一トンネル入り口】
トンネルの長さは2436m。
滋賀県から山科までの最初のトンネル。
水路の高低差は少なくなだらかな傾斜である。
【第一トンネル出口】
水路の周りは木があり水路を見るのはやや困難である。
【諸羽トンネル(東口)】
トンネルの全長は520m。
脇には遊歩道があり、散歩をしている人をちらほら見かけた。
また、その遊歩道には、1971年~1974年にかけて国有鉄道が湖西線建設により、
水路の経路の変更が行われたという旧水路がある。
【諸羽トンネル(西口)】
出口付近は、1970年に「新諸羽舟溜」が作られた。
第二トンネルまで疎水が通る水路を跨ぐ橋が7つあった。
安朱橋(第4号橋)。1889年に建造。2000年に改修。
三角橋(第5号橋)。
安祥寺橋(第6号橋)。1889年に建造。安祥寺へと繋がっている。
妙応寺橋(第7号橋)。1889年に建造。
本こく寺橋(第8号橋)。1893年建造。
大岩橋(第9号橋)。1924年建造。
山ノ上橋or太鼓橋?(10号橋)。1899年建造。日本最初のアーチ型コンクリート橋。
【第二トンネル(東口)】
第二トンネルは長さ124m。
トンネル入り口の扁額に、井上馨の「仁似山悦智為水歓歡」
(じんはやまをもってよろこびちはみずをもってなるをよろこぶ):
仁者は知識を尊び、知者は水の流れをみて心の糧とするという意味の言葉が記されている。
【第二トンネル(西口)】
第二トンネルの出口には、西郷従道の
「隨山到水源(やまにしたがいすいげんにいたる)」という言葉があり、
山にそって行くと水源にたどりつくという意味だそうだ。
【日ノ岡取水地】
琵琶湖疏水から取水し、4km先の導水トンネルを通り、新山科浄水場で導水される。
また、この敷地は、湖水建設当時は「日ノ岡舟溜り跡」であった。
【 第三トンネル(東口)】
琵琶湖疏水第三トンネル入り口です。
トンネルに過雨看松色(かうしょうしょくをみる)と掘ってあり、
意味は「時雨が過ぎると、一段とと鮮やかな松の緑をみることができる」という意味だそうです。
このトンネルの手前に日本最初の鉄筋コンクリートの橋がありました。(写真下)
【 日本最初の鉄筋コンクリート】
日本で最初につくられた鉄筋コンクリートの橋です。
この橋は明治36年(1903年)に試造されたそうです。今では落ちないように柵ががありますが作られた当初はなかったそうです。
【 第三トンネル(西口)】
第三トンネルの出口です。
この場所での標高は86m。電気伝導度は94.1(μS/cm)。
【 インクライン】
蹴上インクラインです
写真の船が疎水を通り、滋賀から米、薪炭、醤油、酒などが京都まできて、ここから南禅寺船溜まで高低差が大きかったため台車に乗せて船ごと運んでいたそうです。
【南禅寺船溜 】
南禅寺船溜です。
蹴上インクラインを下った先に船溜がありました。
ここには琵琶湖記念館があり、琵琶湖の歴史が気になった方は立ち寄ってみてはいかがでしょう。